こんにちは。ホリゾンタル型の桜井です。前回まで、カテゴリー別に利益率と返品率それぞれの傾向を検証し、報告をさせていただきました。今回はその指標を仕入価格帯に変え、利益率・返品率を確認し、「どの価格帯が最も利益を生むのか」そして「仕入をするのに最も適した仕入価格帯がいくらなのか?」を検証した結果をご報告させていただきたいと思います。
衝撃①!仕入価格帯と利益率に大きな関連性が!

まず、かなり衝撃的な検証結果をご報告させていただきたいと思います。前回お伝えした通り、米国Amazonでは無条件返品制度が採用されており、それゆえに全体の1.5%に及ぶ商品が再出品不可の状態で返品されることになります・それ故、当コミュニティ―内では5,000円以上の商品については、仕入を推奨しないとのアナウンスをしておりました。
しかし今回の検証の結果、この上限を大幅に下げる必要があることが発覚いたしました。以下のグラフの通り、仕入価格3,000円を境に、利益率が一気に現象、3,000円以上の商品については利益率が5%に満たないことが発覚いたしました。。
価格帯 | 利益率 | 2,000円台 | 10.9% |
---|---|---|---|
全体 | 13.6% | 3,000円台 | 2.8% |
1,000円未満 | 24.4% | 4,000円台 | 1.4% |
1,000円台 | 12.7% | 5,000円台 | 3.0% |
価格帯 | 利益率 |
---|---|
全体 | 13.6% |
1,000円未満 | 24.4% |
1,000円台 | 12.7% |
2,000円台 | 10.9% |
3,000円台 | 2.8% |
4,000円台 | 1.4% |
5,000円台 | 3.0% |
「利益率5%以下」となると、ほとんど利益が出ていないも同然です。ということは、当コミュニティ全体での利益を捻出していたのは、ほとんどが3,000円以下の商品ということになります。
衝撃②!ある仕入価格を境に「返品率」が急増!
また、返品率においても価格帯別で顕著な傾向を見ることができました。以下の表をご覧ください。
価格帯 | 返品率 | 2,000円台 | 3.2% |
---|---|---|---|
全体 | 4.1% | 3,000円台 | 7.4% |
1,000円未満 | 4.2% | 4,000円台 | 7.2% |
1,000円台 | 3.4% | 5,000円台 | 7.1% |
価格帯 | 返品率 |
---|---|
全体 | 4.1% |
1,000円未満 | 4.2% |
1,000円台 | 3.4% |
2,000円台 | 3.2% |
3,000円台 | 7.4% |
4,000円台 | 7.2% |
5,000円以上 | 7.1% |
このように、3,000円のボーダーを境に、3,000円以上の商品については、返品率が急に跳ね上がり、なんと7%以上となることが判明いたしました。一方、返品率に至っては最も低い価格帯が1,000円以上、3,000円未満の商品価格帯で3.3%となり、1000円未満の商品については、「4.2%」という平均を上回る返品率となることが確認できました。
また、再販不可で返品がされる商品の統計については、返品率同様に3000円以上から割合が一気に上昇し、1,000円台、2,000円代がそれぞれ1.4%,1.2%であるのに対し、3,000円以上については「3%前半台」となることが判明しました。これはすなわち、3,000円で仕入れた商品は、100品中3品以上が「再出品不可の状態で返品されてくる」という理屈になります。
このことから、仕入値3,000円以上の商品については、開封・使用された後に返品がなされるケースが多いと想定することができます。高価格帯商品については、一度お試し使用をした上で、必要なければ返品してしまうという消費者心理が働くようです。これは日本人の私たちにはあまりなじみのない「アメリカならではの習慣」ですね。
3,000円以上で仕入をした商品の例駅率が著しく低下することも、この再出品不可での返品率の上昇が大きく関係するものと推測します。一品仕入れに限らず、Amazonエクスポーターにとってはかなり重要なデータになるのではないでしょうか?
結論:仕入れの「最適価格帯」とは?
最後にボーダー価格帯となった1,000円未満と2,000円台をそれぞれ500円単位で区切り、仕入れ時にいくら以上、いくら以下の商品を購入すべきかの判断基準となる、最適仕入価格帯を明確にするための検証を行った結果をご報告させていただきます。
以下、検証の結果になります。
価格帯 | 利益率 | 返品率 | 再販不可率 |
---|---|---|---|
全体 | 13.6% | 4.1% | 1.3% |
500円未満 | 33.2% | 8.6% | 0.0% |
500円~1,000円 | 11.7% | 3.1% | 0.6% |
2,000円~2,500円 | 11.3% | 3.3% | 1.3% |
2,500円~3,000円 | 10.3% | 3.0% | 1.0% |
3,000円台 | 2.8% | 7.4% | 3.4% |
まずは2,000円台を2つに区切った結果から、最適価格帯の上限を明確にしていこうと思います。まず、200円台の利益率についてですが、若干の減少は見られるものの、2,500円以上3,000円未満の価格帯商品についても10%台の利益率が保たれていることが確認できました。
また、返品率・再販不可商品率はいずれも2,000円以上2,500円未満の価格帯商品よりも、むしろ若干数値が改善されていることが判明いたしました。
よって、最適仕入価格の上限は、利益率、返品数・再出品不可返品数両方の観点から、3,000円以下と設定するのが適切であると言えそうです。
続いて1,000円以下台の商品についてですが、こちらはまた面白い傾向を確認することができました。まず、500円以下で仕入をした商品の利益率が33.2%に一気に上昇することか判明いたしました。これは、Amazonの販売手数料の設定条件上、販売価格が10ドル以下の商品については販売手数料の割合が上昇することになることから、当コミュニティが原則、販売価格が10ドル以下の商品の仕入れを推奨していないことが大きく関与していると想定します。
販売価格10ドル以上で仕入価格が500円以下の商品自体の割合が少ないことが想定されたので確認をしたところ、仕入価格が1000円以下の商品が28%を占めるなか、500円以下の商品は5%と割合が減少することが判明いたしました。
よって、500円以下の仕入価格で10ドル以上で販売が予測されるという厳しい条件をクリアした全体の5%を占める商品群が33.2%という高利益率を生み出していることが分かりました。このことから今後、当コミュニティでもこの価格帯の市場を深堀し、仕入割合を増やし、コミュニティ全体での利益率を向上させるこための見直しが必要であることを痛感させられました。まずは、10ドル以下の商品購入の非推奨を再設定する必要がありそうです。
返品率についても、500円以下の商品群に特殊な傾向が確認できました。なんと、3000円以下の商品の返品率が3%である中、この価格帯商品については、なんと8.6%まで上昇することが発覚いたしました。この返品率だけを見るとかなり問題があるように思えますが、そこで注目すべきが再販不可返品率の「0%」です。なんと、この価格帯の商品においては、再販不可の返品が1つも確認されなかったのです。1件も発生しなかったということはかなり注目すべき点です。
恐らく、この価格帯の商品についてはお試し使用の習慣がなく、不要(もしくは別で購入)の場合は、開封をせずにそのまま返品されるものと想定できそうです。
以上の検証から、現状では最適仕入価格帯は3,000円以下と設定するのが妥当であると言えそうです。上記の通り、当コミュ二ティでは10ドル以下で販売されている商品については推奨していなかったためにデータ数が十分ではないため、詳細の検証をすることができませんでした。
ですが、この市場がかなり魅力的で可能性を秘めていることが今回の検証で判明したので、以降、この価格帯を研究していこうと思います。何か判明した際には、このブログでご報告させていただきます。