落とし穴

最近、米国Amazon輸出のハウツーを紹介するサイトや本の中では、以前よりカートを取得することを貴ぶカート取得至上主義が声高に謳われています。カートを取得主義の方々の主張内容としては、カート取得セラーからの商品購入率がほとんど(約8割)で、カートを取得するのは最安値セラー。ゆえに、常に最安値設定をすることを心がけましょうというものが多いです。この説を聞いたエクスポーターは、カート取得に躍起になってしまい、損をしてでもカートを撮ろうと現状の最安値をさらに下回る価格を設定をつけてしまうという行動を起こし、結果、そういった価格改定がなされた商品の多くは価格破壊を起こしてしまいます。価格破壊を起こした商品は、当然その価格のまま商品販売をしてしまえば仕入れ費用や手数料を賄いきれず、結果、損をすることになってしまいます。

そこで、あなたがこのような価格破壊を起こしてしまっている商品を持ってしまっている状況でも、冷静に利益をとった上で販売完了できる戦略をお伝えしようと思います。そのためにはまず、Amazonの仕組みについてお伝えする必要があります。そこで本日はまず、カート取得のために最安値設定するべきではないと主張したい私が、その根拠となるAmazonの仕組み・傾向についてお話していこうと思います。

Amazonは可能な範囲で各セラーに商品販売の機会を平等に与えたい

私はシステムの見識が全く無いのでアルゴリズムの仕組みについては全く言及できません。よってここから話す内容はあくまで日々Amazonでモノを売り価格を変更しカート取得の動向を見ている私の感覚値で話す内容になります。ですが、私としてはかなり確信を持ってお伝えさせていただく内容になります。

まず、大局的な原則としてAmazonは各セラーに出来る限り平等に販売の機会を与える方向に設計の方向が向いている。私はそのように捉えています。その詳細をお伝えするために具体例を挙げてご説明させていただきます。

例えば、「アカウント運用歴」「バイヤーの評価」「FBA納品されている商品数」「最新納品日からの経過日数」などカート取得率に関わる要素がほぼ同じ「セラーA」「セラーB」がいたとします。セラーAは、よく売れる商品「α」,「β」の2品をFBA納品しており、一方のセラーBはセラーAと同じ商品「β」と、あまり販売動向が芳しくない商品「γ」の2商品をFBA納品していたとします。
この時、セラーAは「β」に最安値をつけており、セラーBは「β」をセラーAより少し高い額に設定していたとします。

「β」のカートを取得するのはどちらのセラーか?

さて、このとき商品「β」のカートを取得・販売するのは、セラーAとセラーBのどちらでしょうか?

よく考えて欲しいのですが、もしAmazonがシンプルに「最安値をつけているセラーにカートを取得させる仕組み」になっていたとすれば、カートはセラーAのものになるところでしょう。しかし、このようなシチュエーションにおいてAmazonはセラーBにカートを与えるのです。つまり、セラーAは「β」の他に売れ筋商品のαを有しており、そこで販売の機会を得ることができるので、「β」についてはたとえ最安値をつけていなくても販売の機会つまりカートをセラーBに与える傾向があるのです。

このAmazonの特性を特に強く意識して欲しいのが売れ筋商品の販売が完了してしまい、売れ行きの動向があまり良くない商品ばかりが残ってしまった状況においてです。多くのセラーがこのようなシチュエーションで焦りをきたし、損切り覚悟で赤字の最安値をつけてしまいます。しかし、先ほどお伝えしたAmazonの傾向を思い出して欲しいのです。手持ちの商品が弱いセラーに対しても、Amazonは”可能な範囲”で販売の機械を与えようとします。よって、この状況下であなたがすべきことは、損切り覚悟の最安値を無理につけることではなく、利益が得られる(少なくとも損をしない)価格を付けた状態で商品が販売完了するのを待つことなのです。

もちろん、カート取得には先ほど挙げたアカウント運用歴やバイヤーからの評価などの指標が加味されますし、他のバイヤーへも当然販売の機会が考慮される訳ですので、当然最安値を取らずとも常にカートを取得できる訳ではありません。ですが、無理に最安値をつけるよりも、Amazonの販売機会均等付与の原理を念頭におき、利益を得られる価格設定をした状態でその機会が自然と自分に回ってくるのを待つのが得策だと私は考えます。この概念を頭のどこかに残した状態での価格改定をすることで、全体での利益率は飛躍的に改善します。

次回は、価格改定時に「最安値をつけることを優先的に行ったシップメント」と「この概念を重視した状態で価格改定をしたシップメント」の利益率と販売動向をグラフ化したものをご紹介していきます。

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